イーサリアムクラシックはイーサリアムのハードフォークによって生まれた仮想通貨ですが、イーサリアムクラシックとなってからもハードフォークを実施しています。
イーサリアムクラシックのハードフォークを行うことによって、一体どんな利点が生まれたのでしょうか?
過去のハードフォークを振り返ってみましょう。
イーサリアムクラシックは非中央集権的で利点のあるハードフォークしか行わない
イーサリアムクラシックは、イーサリアムの“THE DAO事件”におけるハードフォークの反対派によって運営されています。
したがってどんな理由があろうと、中央集権的なハードフォークは行わないという強い信念があります。
つまりイーサリアムクラシックでハードフォークが実施されるのは、“システムの問題を改善する際”、または“アップデートをする際”のみです。
これを言い換えると、イーサリアムクラシックは非中央集権的で、ユーザーにとって利点があるハードフォークしか行わないということです。
毎回イーサリアムクラシックのハードフォークは期待され、多くのユーザーが新たな利点に注目しています。
イーサリアムクラシックのハードフォークによって生まれた利点~2018年3月のハードフォークの場合~
イーサリアムクラシックのこれまでのハードフォークの利点について解説しましょう。
まずは、2018年3月に実施されたハードフォークです。
このハードフォークでは、“カリスト(Callisto)”という新しい仮想通貨が誕生しています。
カリストはイーサリアムクラシックのスケーラビリティ問題解決や、セキュリティ性向上などさまざまな利点のあるコインです。
カリストはエアドロップによって、イーサリアムクラシックを保有していたユーザーに配布されています。
わかりやすくまとめると、このハードフォークはイーサリアムクラシックのユーザーにより良い取引環境を提供できるという利点を生み出したと言えるでしょう。
イーサリアムクラシックのハードフォークによって生まれた利点~2018年5月のハードフォークの場合~
イーサリアムクラシックでは、2018年5月にもハードフォークが実施されています。
このハードフォークは、イーサリアムクラシックにおけるシステム性の問題を解決するという利点を生み出しました。
マイニングの難易度を調整する機能を除去し、これから先マイニングで報酬が得られなくなるかもしれないという問題点を解決しています。
またこのハードフォークによって、ブロックの生成時間が約12秒短縮できるという利点も生み出しています。
これまでのイーサリアムクラシックではブロックの生成に約26秒を要していましたが、ハードフォーク後は約14秒にまで短縮されています。
このハードフォークはシステム性の問題解決が目的のため、3月のハードフォークのようにエアドロップ、新しい仮想通貨の誕生などのイベントは起こりませんでした。
ちなみに、イーサリアムはセレニティの実施によって、コンセンサスアルゴリズムをPoWからPoSへと移行させようとしています。
一方イーサリアムクラシックはPoSへ移行する予定はなく、これからもPoWでマイニングが行われます。
なぜ継続して採用するのかというと、イーサリアムクラシックの運営チームが考えるもっとも“非中央集権的”なコンセンサスアルゴリズムがPoWであるからです。
まとめ
イーサリアムクラシックでは過去にさまざまなハードフォークが行われてきましたが、それぞれ利点のあるハードフォークであったことがわかって頂けたかと思います。
イーサリアムクラシックは高いセキュリティ性、完全な非中央集権的な仮想通貨を目指しているため、これからもハードフォークがされる機会は多いと予想されます。
イーサリアムクラシックが“真のイーサリアム”であり続けることは、決して容易ではないということです。