音楽市場がV字回復
成し遂げようとしています。


国際レコード産業連盟(IFPI)の
発表によると、2017年度の
音楽業界全体の売上は


前年比8.1%増加、2016年度も
5.9%増加、
2015年度では3.2%増加
2014年度を境にV字回復を見せているのです。

最大の音楽市場であるアメリカでは、
2017年度は86億2,000万ドル増の
16.5%アップ
(全米レコード協会:RIAA調べ)


イギリスでも8億3940万ポンド増の
10.6%アップ
(全英レコード産業協会:BPI調べ)
と各国で好調です。


かつては「斜陽産業とまで言われた
音楽業界を再び盛り立てているのは
何なのでしょうか?


 

ストリーミングが音楽市場を再興させた

V字回復を見せるまでの音楽市場は
長く苦境に立たされていました。


苦境の原因は、
デジタルコンテンツへの対応が
音楽業界として遅れた事です。


CDに変わり、通信販売や
ダウンロードが音楽を流通の
段階から変え、


CD、DVD販売大手の
米タワーレコード社は
業績不振に陥りました。


10年前には、
違法ダウンロードによりリスナーは
音楽にお金を支払わなくなるだろう
とまで言われ、


5年前には、「CDやMP3といった
音源ではなく、ミュージシャンは
ライブで稼ぐ時代に戻る
とも言われました。


現在、二つの予言は否定されています。


違法ダウンロードに変わる
あるサービス」にリスナーは対価を払い、
ミュージシャンはライブと
「あるサービス」から報酬を得ています。


今や、その「あるサービス」によって
音楽市場はV字回復し、
過去20年間で最も高い成長率を支えています。


音楽市場の成長を支え、再興させた
「あるサービス」とはSpotifyを
はじめとする


ストリーミングサービスなのです。


その裏付けとなる数字があります。


IFPIの調査では、ストリーミングサービスは2
017年度には前年比41%増の66億ドルアップ


世界の音楽市場の実に8%が
ストリーミングサービス
の売上なのです。


CD販売は確かに落ち込みました。


しかし、そのマイナス分を補って
余りある勢いで音楽市場を支えているのは、

Spotify、

Google Play Music、

Amazon Music

と言ったストリーミングサービスなのです。

 

 

ストリーミングサービスとは?

ストリーミングサービスの登場により、
音楽は「所有からアクセスへ」とシフトしました。
ビジネスモデルの転換が起きています。


ストリーミングサービスの大手、
Spotifyに例を見ましょう。


Spotifyはスウェーデンのエンジニア、
ダニエル・エクにより2008年に
創業
されました。


その理念のひとつに
合法サービスによって
音楽をリスナーに提供する事により
違法ダウンロードを駆逐する」があったのです。


違法ダウンロードが横行し、
人々が音楽にお金を払わない事で


音楽を創造している
アーティストの生活が脅かされ、
創作意欲が削がれます。


新作が市場に出ない事で、
音楽市場はさらに衰退してしまう。


そのマイナススパイラルを防ぐには、
アーティストに創造への公正な報酬が
支払われなければならない。


リスナーが音源を所有して
何度作品を聴いても、
アーティストには所有の際の
1回分の対価しか渡らない。


違法ダウンロードなら
アーティストへの対価はゼロです。


ならば、聴いた回数でリスナーに
課金してアーティストへ対価を払おう。


それが、リスナーもアーティストも
健全は音楽業界の成長発展に
つながると気付いたのです


しかし、従来の技術では問題がありました。


どのリスナーが、どのアーティストの作品を、
どこで、何回聴いたのか?


その把握にはそれまでの仕組みでは
データ改ざん、違法コピーへの対策が
不十分だったのです。

 

ストリーミングサービスを可能にしたブロックチェーン

どのリスナーが、どのアーティストの作品を、
どこで、何回聴いたのか?


その行為に対し、
いくらアーティストに還元すべきか?


そうした情報はこれまでの
一括管理型のシステムでは
把握しきれません。


情報を管理しても一ヶ所で
管理していては改ざんされる
危険があったからです。


その難題を解決したのが
ブロックチェーン(BlockChain)
と呼ばれる技術です。


ブロックチェーンとは、
ブロック(情報)がチェーン状(鎖状)に
連なった状態で管理する仕組みで、
仮想通貨(暗号通貨)」にも応用されています。


ブロックに分けられた情報は
分散した場所(サーバ、パソコンetc)に
管理格納され、


各々「ナンス値」または「ハッシュ
と呼ばれる暗号キーを持っています。


この暗号キーがブロックチェーンの
技術的優位性のひとつです。


暗号キーは高性能パソコンでも
解読に10分もかかる
難しい設定がされています。


しかも、ブロックひとつひとつに
暗号キーが付与されているため、
情報の書き替え改ざんには
大変な労力がかかります。


(実際には過半数のノードの書き換えで
データ更新完了となりますが、
それでも相当の時間と労力が必要です)


ブロックチェーンのもうひとつの特徴に、
分散管理が挙げられます。


従来のサーバによる一括管理、
中央集権的とは対極に位置する
データ管理手法は、


分散型台帳管理、
非中央集権的とも呼ばれています。


分散型管理は、ブロックチェーンを
支える全員(ノード)が同じデータを
分散参照しているため、


データの改ざんには過半数のデータを
書き換える必要があります。


しかも、各々のデータ(ブロック)には、
先述の暗号キーが付いています。


この事がデータ改ざんを計算量的に困難し、
不正な改ざんで得るメリットを
コスト的に封じ込めているのです。


ブロックチェーンは
デジタルコンテツとの親和性が高く、
仮想通貨以外にも「決済」、「証明」、
契約」において公正性を高めました。


音楽業界では、
様々な利権が契約によって存在し、
それに伴う決済が発生します。


アーティストと所属事務所、CD制作会社、
原盤管理会社、流通、著作権、
演奏権などの管理、契約と決済。


これら複雑な仕組みを簡素化した上で、
データの改ざんにも強く、
アーティストへの利益還元のスピードを
向上させたのが、


ブロックチェーン技術を導入した

ujo Music

というストリーミングサービスでした。

「ujo Music」はどのリスナーが
どのアーティストの曲を何回聴いたかを
リアルタイムでデータ化し、


視聴回数に応じた報酬を迅速に
アーティストに還元する仕組みを
実現しました。


この仕組みを支えているのが、
ブロックチェーンなのです。


報酬が迅速にアーティストに
還元される事でアーティストの
生活権と創作意欲が保証され、
新作が音楽市場に継続的に提供される。


リスナーはいち早くアーティストの
新作を視聴できる。


こうした健全なサイクルを
音楽業界にビジネスモデルとして
ストリーミングサービスはもたらしたのです。

 

ストリーミングとブロックチェーンのこれから

 

世界の音楽市場では、
ストリーミングサービスが
ビジネスモデルの主流となりつつあります。


しかし、日本では残念ながら
CD販売が未だに主流です。


この事が、日本の音楽市場の
再興を妨げています。


最近になって、宇多田ヒカル
Dreams Come TrueSpotify
契約するなどストリーミングサービスに
注目するアーティストも登場しました。


追随する大物アーティストも出るでしょう。

VOCALOIDの登場により、アマチュアでも
作品をデジタルコンテンツとして
発表できる新たな市場が誕生しました。


ブロックチェーンは
こうしたアマチュアにも門戸を解放し、
誰もがクリエイターとして報酬が
保証される未来を創るかも知れません。


ブロックチェーン技術から目が離せません。