暗号通貨を取引するにあたって、“損益通算”の存在は必ず知っておくべきでしょう。
損益通算とはどういうものなのかを解説すると共に、暗号通貨の税金に関するさまざまな知識も併せて解説します。

暗号通貨の利益はどの所得に分類されるのか?


暗号通貨の損益通算について知る前に、そもそも暗号通貨の利益はどの所得に分類されるのか知っておきましょう。
暗号通貨を取引して得た利益が分類されるのは“雑所得”です。
所得には他にも不動産所得、給与所得、配当所得、利子所得などがあります。

所得には全部で9つの種類がありますが、そのどれにも該当しない所得を“雑所得”と言います。

暗号通貨の利益以外で雑所得に当てはまるのは、原稿料やアフィリエイトで得た利益などです。

損益通算とはどういうものなのか?


損益通算というのは、簡単に言えば“節税方法”の1つです。
利益だけを対象に課税される税金は額が大きくなるため、利益から損失を差し引くことで所得額を小さくし、課税の対象額も少なくするための方法です。

損益通算でよくあるパターンとして、“給与取得と不動産取得の損益通算”が挙げられます。
不動産投資を副業で行っている会社員の方が、不動産投資で赤字を出してしまうとします。
ただ給与所得から不動産所得で出てしまった損失を差し引いて損益通算をすれば、トータルの所得金額を減らして課税の対象額も減らすことができます。

またFXや株式投資において、複数の証券会社を利用している場合の損益通算もよく行われます。
証券会社Aで20万円の利益を出しており、証券会社Bで10万円の損失を出している状況だとします。
それぞれの利益と損失をそのまま申告する場合、Aでは20万円が課税の対象額となり、Bは課税の対象外になります。

ただこの2つを損益通算することによって、10万円が課税対象になり節税ができるのです。

暗号通貨は損益通算が可能なの?


暗号通貨では、上記のように損益通算が可能なのでしょうか?
結論から言うと、暗号通貨同士または雑所得同士であれば損益通算は可能です。

例えば複数の暗号通貨を取引している場合、ビットコインでは利益が出て、イーサリアムでは損失が出るというケースもあるでしょう。
この場合は、2つの暗号通貨の損益通算が可能です。

また暗号通貨同士の損益通算でなくても、暗号通貨と他の雑所得も損益通算ができます。
ただFXの利益・損失は、暗号通貨の損益通算ができません。
ちなみに暗号通貨の損益通算は、雑所得以外の所得と損益通算することもできません。

例えば暗号通貨を取引している会社員の方が、暗号通貨で損失を出してしまったとしても、給与所得と損益通算することはできないのです。
これは非常に重要なことなので、暗号通貨を取引する前に知っておきましょう。

暗号通貨の所得ってどうやって計算するの?


では暗号通貨の所得とは、どのような状況になれば“発生した”という扱いになるのでしょうか?
暗号通貨の所得が発生するケースは2つあります。
1つは暗号通貨を売ったときです。
暗号通貨を売れば、その分の金額を獲得することになるので、当然所得が発生したという扱いになります。

もう1つは、暗号通貨同士を交換したときです。
他の暗号通貨の価格が上昇したタイミングで交換して利益となるため、所得と判断されます。
所得額は、以下の計算式で算出されます。

売却・交換時の時価×数量-取得単位×数量

暗号通貨の所得や税金の計算は、自分で行おうとすると非常にややこしいです。

仮想通貨の取引履歴があれば、簡単に損益通算ができるツールがありますので、初心者はそちらを利用すべきでしょう。

まとめ


暗号通貨の損益通算は不可能ではありませんが、決して融通の利く制度ではありません。

これまで不動産投資などで損益通算をした経験があるという方は誤解しやすいので、想定外の出費とならないように事前に準備しておきましょう。