ブロックチェーンの活用方法の前に、
現在の音楽業界が抱える課題について
整理したいと思います。


現在、音楽業界が抱えている課題は、
大きく分けて以下の2点に集約されます。

 

1.著作権保有者に裁量が少ない

 

著作権は、本来、楽曲や文章等が
作成された時点で権利が発生し、
その作成者に権利が
与えられるものであります。


しかし、現在の音楽業界では、
著作権管理団体が音楽使用料等の
管理を行い決定権を持っていることから、


著作権保有者側の裁量が
少ない構造になっています。


自分の作品であっても、
著作権保有者側で自由に
扱うことができないのです。


 

2.アーティストに正当な対価が支払われていない

 

音楽は、作曲や演奏をしたアーティスト側に
対価を受け取る権利があります。


しかし、現在の仕組みでは、
音楽の販売や配信等を行う
仲介業者に依存する構造となっており、


アーティストが受け取るべき対価から
仲介料が引かれてしまいます。


上記のような音業界の抱える
2点の課題について、
ブロックチェーンを用いることで
解決への期待が持たれています。


ブロックチェーンによる楽曲の
使用ルールの明確化、申請の簡略化


履歴が残るという
ブロックチェーンの特徴により、


楽曲の使用ルールを厳格化したり、
利用の申請を簡略化
できるようになります。


既存のシステムでは、
楽曲に関する履歴が
残っていないことから、


その楽曲に関する権利が
誰のもとにあるのか把握できませんでした。


そのため、楽曲を利用しようとすると、
権利保有者を探す作業が必要になりました。


 

新しいアーティストの応援方法とは?

       


アーティストが独自の通貨を作る!



あるアーティストのAは独自の通貨
AA」を発行しています。


この通貨はビットコインで
購入可能であり、保有後は自由に
売買することが出来ます。


価値は彼の人気度によって変動します。


人気度はSNSでの話題度など
様々な指標により測定されます。


また、一定以上のAAを
保有する人に対しては
特別なイベントへの招待など
様々な特典が与えられます。


実はこのようなサービスは
実験的に始まっています。


最近一部で盛り上がりを
見せているVALUというサービスです。


このサービスに登録すれば、
VALUという独自のトークンを
発行することが出来ます。


そしてこのVALUの価値は
ツイッターやフェイスブックなど
SNSでのフォロワー数などに
よって測定
されます。


他のユーザーはこのVALUを
売買することができます。


「この人応援してみたいな〜。」と思ったら
VALUを買うことでその人の活動を
手助けすることが出来ます。


また、VALUの価値は
株価と同じように変動するので、


無名だけど将来性のありそうな人の
VALUを保有して、価値が上がってから
売却して利益を得るということも出来ます。


ブロックチェーンがライブのチケット販売を適正に

 

 

ブロックチェーンが
もたらす変化は音楽利用や
配信だけではありません。


音楽業界の主要な
ビジネスの一つである
ライブやコンサートにも
変化をもたらします。



 

P2Pでアーティストとファンを繋ぐ

 

アーティストがライブやコンサートを
開催する場合、基本的に仲介業者を
介してチケット販売を行う必要があります。


そのため、アーティストは自身で
チケット価格を設定できず、
販売実績の情報も把握できません。


ブロックチェーンにより、
チケットを金券のようにして管理できれば、
情報が公開されているため、


これまで仲介業者によって
管理されていたチケットの
取引実績を、アーティスト側でも
把握できるようになります。


また、チケットを
デジタル通貨として発行すれば、
市場を介してチケット価格は
需要に応じたものに設定されます。


これまで一定の価格に
据え置かれていたチケット価格が
需要に応じて変動するようになり、


需要の多いチケットであれば
高額な対価を受け取ることも可能です。


さらに、仲介業者に
手数料を取られることなく、
アーティストが売上を直接受け取れます。


アーティストは、
自身の価値をより的確に把握し、
適正な対価を受け取れるようになるのです。


 

Spotify社

Spotifyはブルックリンに拠点を
置くブロックチェーン・スタートアップ
Mediachain Labsを買収しました。


Mediachain Labsのチームは、
Spotifyが提供する楽曲と


そのアーティストおよび楽曲の
権利者とを紐付けるテクノロジーの
開発を進めていくそうです。


つまり、この買収はは権利関係の
問題を解決するために
ブロックチェーン技術を活用した
サービスを開発を進めるということなのです。


Spotifyは昨年、適切なライセンスを
得ていないとして、


アメリカの全米音楽出版社協会(NMPA)との
未払いのロイヤリティに関わる
訴訟に直面してしまいました。


The New York Timesの報道によると、
NMPAは、Spotifyが
配信している楽曲の多くで


メカニカル・ライセンス
(著作権者が持つ楽曲を配信する権利を指す)
を取得してないと主張しました。


NMPAはこれは他の
ストリーミングサービスにも
影響があるだろうと説明し、


現状ストリーミング・プラットフォームでの
音楽配信における25%でライセンス取得が
なされていないと推定しています。


Spotifyは和解のため、
出版社協会に2000万ドル、
さらに罰金として500万ドルを
支払いました。



この和解が成立したおかげで、
Spotifyは他の集団訴訟を
避けることができたが、
業界全体における課題は残ったままでした。


Spotifyはライセンスを主張する者の中で
誰の主張が正しいかを判断し、


著作権者を特定するために
必要なデータを持ち合わせて
いないために


ロイヤリティを支払えていなかった
と説明しています。


Mediachainと協力することで、
Spotifyはこれを解決できる
ソリューションを構築したい考えです。